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2020年08月22日

将棋における抽象思考はアスリートの能力を向上させる働きがある!

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先日、藤井聡太棋聖が18歳という若さで木村一基王位を破り、2つ目のタイトルを獲得しました。
しかも初戦から負けないしの4連勝です。
もう本当に凄い!としか言いようがありません。
実はそんな藤井聡太2冠の強さの秘密の1つである「抽象思考」がアスリートや指導者にも必須な要素なのをご存知でしょうか!?
ちょっと気になりますよね。
ということで今回は抽象思考について解説してみたいと思います!

目次

アスリートや指導者に欠かせない「抽象思考」

将棋というのは体こそほとんど動かしませんが、頭で行うスポーツなんです。
なぜなら、将棋というのは数手先を読み、そこから逆算して〝打つべき一手〟を指していくゲームだから。
先々の展開を読むことを「抽象思考」と言うのですが、将棋をはじめチェスや囲碁、オセロなど盤上で行う戦略性の高いゲームというはこの抽象思考を高めていく要素があるのです。
そして、この抽象思考こそアスリートや指導者に欠かせない能力なのです。

そもそも抽象思考ってどういうこと!?

まず最初に「抽象思考ってどういうもの!?」と思われている方も多いことでしょうから、その部分について解説をしていこうと思います。
抽象思考というのは、「情報空間の視点の高さを上げて広い視野で考えること」を言います。
もしくは展開の先々を読むこととも言えます。
例えば渋谷区の視点からそれより高い東京都の視点でごみ問題を考えるとか、日本の視点から世界の視点で新型コロナウイルスの対応策を考えるなどです。
大きな規模、大きな範囲で思考することを抽象思考と言うのです。
そして今回冒頭で出てきた藤井聡太棋聖は、この抽象思考というのがずば抜けて優れているのです。
圧倒的に高い視点から盤の状況を捉え、かなり先の展開までを読み切った上で駒を指していくのですが、実はこの抽象思考こそアスリートや指導者に欠かせない能力なのです。

スポーツにおける抽象思考の仕方

もう少し深堀りして抽象思考について解説しましょう。
例えば、東京スカイツリーと東京タワーのてっぺんから街を見下ろしている状況を思い浮かべてみて下さい。
634mある東京スカイツリーは関東全体が見えるのに対し、333mの東京タワーから見えるのは東京のみです。
東京スカイツリーの方が獲得できる情報量が断然多いのは容易に理解できますよね。
実はこの視点の高さこそ「情報空間を高い視点で見渡せている状態」なんです。
これをスポーツに置き換えて言うならば「コートやフィールドを相手よりも隅々まで観えている」という状態であり、「全体を見渡せているがゆえに多くのプレーの選択肢を獲得できる」ということです。
この様な高い視点をアスリートや指導者が獲得することが出来たらパフォーマンスは間違いなく上がっていきます。
そして、是非そうなるためにも将棋を行うことによって抽象思考を鍛えることはとても良い手段なのです。

抽象思考で大事なのは情報の取捨選択

ここまでに抽象思考をすることで多くの情報を獲得することの大事さをお伝えしてきましたが、実は、抽象思考に長けた人というのはすぐさま得たほとんどの情報を惜しげもなく〝切り捨て〟てしまっているんです。
「ん!?どういうこと?」という声が聞こえてきそうなので将棋の例を挙げて解説しましょう。
将棋は王、金、銀、飛車、角行、桂馬、香車、歩、計20枚の駒で戦うのですが、その全ての駒の手を読んでいるわけではないんです。
局面において重要度の低い手は無視してしまいます。
無駄な情報の8割は切り捨てて、有効な手を1〜2割(4~5つ)に絞ってその筋のみを徹底的に深くまで読んでいくのです。
逆に弱い棋士というのは局面的に重要ではない手の先をどんどん読んでしまう為、1つの筋に数手先しか読めず、強い棋士にあっさりとやられてしまうのです。
視点が上がることによってより多くの情報を獲得できるわけですが、必要のない情報は瞬時に切り捨てて重要性がある部分のみを徹底的に読んでいくことが大事なのです。
そしてこれはスポーツにおいても当てはまるのは言うまでもありません。

まとめ

将棋はとても高い抽象思考が必要とされる競技であり、そしてその思考の仕方はアスリートや指導者にとっても欠かせない思考法であることがご理解頂けたかと思います。
ということで、皆さんが今後のスポーツにおいてゲーム展開を優位に進めるために
①相手選手(チーム)よりも多くの情報(選択肢)を確保する
②重要性の低い情報は瞬時に切り捨ててしまう
③重要な選択肢に絞ってその部分を相手よりも深く読む
ということを心得ておきましょう。
そしてそれをいつでも可能にするために将棋に取り組んで〝抽象思考〟を徹底的に鍛えてみてはいかがでしょうか!

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