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2020年05月16日

反省会が長いほど選手の自己肯定感は下がる

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スポーツ選手って当たり前のように試合の後に反省会を行いますよね。
チーム全員で集まって、「あの場面のあそこはああすべきだった」「この場面のここはこうすべきだった」と試合における反省点を話し合うことは、ほぼすべてのアスリートが行っているのではないでしょうか。
基本的に反省会を開く理由は、次の試合で同じようなミスをしないためであったり、うまくいかなかった場面における個々の動きの認識のずれを確認するためなど多岐に渡るかと思いますが、ややもすると30分も1時間も反省会を行っているチームを見かけることがあります。
しかも、そのような長い反省会を指導者が烈火のごとく怒る状況で行われるのを見ると、選手のことがとても気の毒に思えてしまうものです。
そこで今回は反省会を行う意味について解説していきたいと思います。

目次

実は反省会は短いほどいい3つの理由

反省会は実は短いほどいいんです。
こういうと、「ふざけるな!」という声が聞こえてきそうですが、まあ聞いて下さい。
確かに、試合でミスをした場面での対応の仕方を確認することや、チームにおける動きの認識のずれを修正するという意味ではとても意味があると思います。
あの時他にどんなプレーの選択肢があったかということを考えるだけでも試合を高い視点で捉えなおすことになりますから。
しかし、実際のところ長い反省会のなかで行われているのはそのような部分はほんの少し。
反省会のほとんどは無用なことのために行われています。
以下に、なぜ反省会はもっと短いほうがいいのかの理由を述べていきたいと思います。

反省会は選手の自己肯定感をとことん下げるから

ちょっと想像してみて下さい。
今さっき負けたばかりで選手はとても悔しい思いをしています。
そのような状態のところに、やれあそこがよくなかった、ここがダメだったと延々と聞かされるとどうでしょう。
きっと、反省会が終わるころには自己肯定感がとことん下がって「ああ、自分って本当にダメな選手だ」という信念を形成してしまうことでしょう。
自己肯定感(エフィカシー)とパフォーマンスは正比例の関係にあると言われています。
ですから、次戦に向けて修正をするつもりが余計にパフォーマンスを下げてしまっているだけなのです。
反省会で言われなくてもミスをした本人はわかっています。
一度、そのプレーに選手の認識を確認したらもうそこで終わり。
エフィカシーが下がらないうちに反省会を終えましょう。

時間は未来から過去に向かって流れているから

次に、時間が未来から過去に向かって流れているからというのが理由の一つなのですが、これはどういうことかご説明しましょう。
時間というとほとんどの人が過去→現在→未来の順で流れるものであるとお考えでしょう。これは一般に西欧を中心とした時間の捉え方です。
しかし、分析哲学では時間は未来から現在に流れ過去へ過ぎ去っていくと考えられています。
この分析哲学の視点で反省会を捉えると、反省会とは遠く過去に過ぎ去っていくもののことを現在に話し合う作業ということになります。
つまり、これからやってくる未来とは何ら関係のないことに時間を費やしてしまっている作業であるということです。
全く同じ過去は2度と未来からやってきません。
似たケースはやってくることがあるかもしれませんが、2度と来ないことに延々と時間をかけるのはもったいないと言えます。
もし、時間をかけて話し合いたいのなら〝これから来る未来をどうしていくべきかと〟いう内容の方が何百倍も生産性があることでしょう。

そもそも人間は常に最高の選択をしているから

3つ目ですが、〝人間というものは常に最高の選択の連続によって生きているから〟というのが挙げられます。
ちょっと難しい表現の仕方になってしまいましたが、これはどういうことか説明しましょう。
たとえば試合中のある場面で仲間のA君、B君、C君にパスを出せる状況にあったとします。
つまり3つの選択肢があるわけです。
仮にあなたがA君にパスを出したとします。
もし、このA君へのパスをカットされてしまったなら、このシーンでの選択ミスを反省会で叱責されることになるのでしょうが、果たしてB君やC君にパスを出していたら上手くいっていたと言い切れるでしょうか。
誰にもわからないですよね。
それに、あの場面であなたがA君にパスを出したのは、少なくともあの状況下ではA君にパスを出すことが最善であると判断したからでしょう。
まさか、C君へのパスが最善だとわかっていたけど今日のところはA君を選択してみましたなんてことはないですよね。
つまり、私たちは常にその瞬間瞬間をその時にできうる最高の選択をして生きているのです。
ですから、そもそもそれ以上の選択など無かったということになります。
反省会はそんな最高の選択をした自分を否定する作業なのです。

本来試合後にやるべきことは何か

ここまで、試合後の反省会が如何に短いに越したことがないかという理由についてみてきました。
では逆に試合後はどのようなことをすべきなのでしょうか。
ぜひ試合が終わった後に行って頂きたいチームミーティングのあり方をご提案させて頂きます。

自分たちの自己肯定感を高める時間にせよ

試合後に同じような失敗を防ぐための最低限の確認事項を共有しあった後は、自己肯定感を上げることをしてもらいたいと思います。
なぜなら、先にも述べたように自己肯定感=パフォーマンスだからです。
ですから、各選手の良かったプレーをどんどん褒めるようにするといいです。
褒められることによって選手はより自己肯定感が上がりますし、次の試合に向けてより気持ちを高めていくことができます。
ですから、試合の後に反省すべきことを話し合った後は、その2倍から3倍の時間をかけて自己肯定感を上げる話をして終わりましょう。

相手チームいいところを話し合う

試合後は、相手チームのいい部分についても話し合うと良いです。
なぜなら、自分たちと全く違う良さを持っているからです。
そんなチームの良いプレーや戦い方は今後の自分たちにとって良い参考となります。
ほんの少し前に手合わせをしてもらい、実際に戦った感覚が残っているわけですから、相手の良い部分を吸収してぜひとも自分たちが飛躍するための糧にしてしまいましょう。
負け試合の後でも得られるものはしっかりと収穫して帰るようにして下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか!?
最初は「反省会は短いほうがいい」という言葉にいぶかしく思われたかもしれませんが、読んでいくにつれて多少腑に落ちたのではないでしょうか。
人はどうしても過去を掘り返して「ああすべきだった」「こうすべきだった」と言いたくなるところがあります。
しかし、私たちにとって本当に大事なのは過ぎ去った過去ではなく未来です。
そしてその未来に結果を出していくためには、今というこの瞬間にいかに自己肯定感を上げていけるかなのです。
ですから反省会はできるだけ短くし、そして自己肯定感の上がるミーティングにしていって下さい!

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