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2020年03月28日

◯◯をしてしまうのは最悪のコーチング

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マインドコーチングはアスリートの才能を開花させる上で極めて有効な手段なんですが、それを用いる側が注意しなければいけない部分もあります。
それは何かというと「否定をする」ということです。
よく指導現場において「~すべきではない!」「~するな!」という声が飛び交っているのを聞くことがありますが、それは実は最悪のコーチングなのです。
そこで今回は、なぜコーチングにおいて否定はよくないのかについてみていくこととしましょう。

目次

否定が最悪のコーチングである理由

とは言えども選手が間違ったことをやっていたり修正しなければいけない場合、今やっていることを否定しなければいけないだろうと思われる方もいらっしゃると思います。
むしろ、初心者を指導する場合は修正しなければいけないことの方が圧倒的に多いかもしれません。
そこでちゃんとご納得頂けるようにマインドの視点からなぜ否定が良くないのかについて解説していきたいとも負います。

選手の自己肯定感を下げてしまうから

実は理由は至って単純。
選手の自己肯定感(コーチング用語でエフィカシーと言います)を下げてしまうからです。
根本的にコーチングとは〝選手の自己肯定感を上げること〟です。
そして自己肯定感とパフォーマンスは比例関係にあります。
ですから、否定をしてパフォーマンスを下げてしまっては元も子もないんですね。
間違ったフォームで練習していても「そんなやり方意味ない」なんて言わないし「そんなやり方でやっても上達しない」なんて言いません。
絶対に自己肯定感を下げることはしないのです。
どんなに形が修正されたとしても、選手の自己肯定感が下がって〝いわれるがままに動くアスリート〟になってもパフォーマンスはさほど上がらないからです。
ということで自己肯定感を下げないためにコーチは否定をしないのです。

選手と指導者の間に心理的な距離が出来てしまうから

実は、人間の無意識には押されると押し返そうとする力が働く心理があるのをご存知でしょうか。
これは「プッシュ・プッシュバックの法則」と呼ばれるものです。
例えば、お母さんに「いつまでゲームやってんの!早く部屋に戻って宿題やりなさい!」と怒られたことってありませんか!?
その際のあなたの反応は、きっと「うるさいなー!もうちょっとしたらやるつもりだったんだよ!」だったのではないでしょうか。
これはまさにプッシュ・プッシュバックの法則によるものなんです。
スポーツでも同じで、ああじゃない、こうじゃないという指導をしていると次第にこのような心理が働き始めます。
そしてしまいにはあなたの言うことすべてに反発するようになってしまうのです。
要は否定をされすぎることによって選手がそれを避けるために心理的な距離をとってしまうようになるということなんです。
こうなると、それ以降どんなことを言っても選手には届かなくなってしまいますよね。
指導者と選手の関係を破綻させないためにも否定はしない方がいいのです。

選手が余計に良くない点にロックオンしてしまうから

そしてもう一つあります。
それは選手が否定されたことにロックオンしてしまうからです。
例えば、「誰もマークがついていない状態なのに何でお前はいつもシュートを決めることが出来ないんだ!ヘタクソ!」と指導者が怒鳴ったとしましょう。
すると、その選手のマインドには「自分はチャンスで決めることが出来ない」というイメージが刷り込まれてしまうことになります。
そしてそのような自分にロックオンしてしまうのです。
こうなると、同じような場面になるたびに上手く決められない自分が想起されて余計に決められなくなったり、パスを選択してしまうことになってしまいかねないのです。
選手を否定することは、選手の良くない部分を改善させるどころか余計にその傾向を強めてしまうことになるということを心得ておいて下さい。

選手への指導は否定をせずに何をすべきか

なぜコーチングを行うにあたって否定をしてはいけないかについてご理解頂けたかと思います。
では次に、指導者は選手に対してどうしていく必要があるかについて解説していきたいと思います。

徹底的に自己肯定感を上げるべし

指導者が選手に行う指導の要点としてぜひ押さえておいてもらいたいことがあります。
それは、自己肯定感を上げるということです。
先にも紹介した通り、自己肯定感とパフォーマンスは正比例の関係にあります。
ですから、選手のパフォーマンスを上げてあげるためにはここを徹底的に伸ばしていかなければいけません。
「褒める」や「のせる」ということをたくさん行うようにして下さい。
選手にとって信頼する指導者から褒められることは自信に繋がるだけでなく、もっと褒められるプレーが出来るようになるために自ら考えて行動できるようになっていきます。
つまり、自ら考えて動けるアスリートへとなっていけるのです。
そういう意味でも選手のいいところ、いいプレー、いい行動を徹底して褒めるようにしてみて下さい。

選手の視点を上げてあげるべし

経験の豊富な指導者ほど選手が間違ったことをやっている時につい「そうじゃないだろ」と声をかけてしまいたくなるものです。
しかし、それでは先ほども言ったように選手の自己肯定感を下げてしまいます。
選手が上手くいかずにもがいていたり、間違ったことをやってしまっている際は否定をせずに〝選手の視点を上げる〟ことを行ってみて下さい。
この選手の視点を上げるというのはどういう意味かというと、今上手くいっていない自分を客観的な視点で捉えさせるという意味です。
そしてそうさせるために「質問を投げかける」ということを行ってみて下さい。
例えば、手打ちになってしまっているバッターに「バッティングの際に重要な体の部位はどこかな」とか「ほかの選手はボールを打つ際にどういうことを意識してスイングしているんだと思う」といった感じです。
選手は視点が上がることによって、「ああ、そうか、自分は下半身を意識せずにスイングしていたな」と気付けるようになっていきます。
仮に一度で答えが出なくても、自分で考えてそれを実践していくなかで何が正しくて何が正しくないかを選手は自らの思考と体感で理解していくようになるものです。

まとめ

いかがでしたか。
良かれと思ってやっていたことが選手にプラスの方向に働いていなかったということはショッキングだったかもしれません。
しかし、このブログを読んだことによってあなたは選手に対して否定しないほうが良い理由をしっかりとご理解頂けたのではないかと思います。
是非、明日からは「如何に選手の自己肯定感を上げるか」という肝を押さえた指導に切り替えてみて下さい。
最初のうちは違和感を感じるかもしれませんが、徐々に選手が伸び伸びと成長しだす姿にお目にかかれることでしょう!

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