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2019年07月27日

アスリートのパフォーマンスを左右する「RAS」について理解しておこう!

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「RAS」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
RASはコーチング用語の一つなのですが、このRASの理解なくしてマインドを語ることが出来ないくらい非常に重要なものです。
もちろん、アスリートが飛躍をする上でもこのRASの理解は必須です。
ということで、今日はアスリートや指導者の方にはぜひ知っておいてもらいたい「RAS」についてお話したいと思います。

目次

RASは認識にあげるものと上げないものを選り分けるフィルター

RASとはReticular Activating Systemの頭文字をとったもので、日本語では網様体賦活系と言い、通称〝ラス〟と呼ばれています。
このRASが人間にとってどの様な働きをしているのかというと、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)によって収集した外界の情報を認識に上げるかどうかを選別する〝フィルター〟としての働きを担っています。
人間の脳はよく3%しか使われていないなどと言われますが、全てのものをありのままに認識しようとすると脳の許容量を超えてパンクしてしまうため情報の取捨選択を行っているのです。(脳をフル回転させるには原子力発電所1か所分のエネルギーが必要だという試算があります)
そんなRASですが、何を脳に認識させ、何を認識させないかという部分において明確な2つの基準をもって情報を選り分けています。
1つは、「知っていること」であり、もう1つは「その人にとって重要なこと」です。

取捨選択の1つ目の基準〝知っていること〟

1つ目の「知っていること」は当たり前のことですが、知らないことを人は認識することが出来ません。
例えば、〝りじょうきんを鍛えよう〟という言葉を発した時に、りじょうきんについて知らない選手はそれを認識に上げる事は出来ません。
しかし、りじょうきんと聞いてそれを知っている人なら「ああ、お尻のところにある梨状筋のことね。」と認識出来ます。
それから、戦略・戦術に関する知識が無い選手は、相手選手(チーム)が仕掛けてきている戦略や戦術に気づくことが出来ません。相手の方が圧倒的に試合運びが巧いなというぐらいにしか捉えられないわけです。
しかし、戦略・戦術に関する知識を持っていれば「相手はこういう試合展開に持ち込もうとしてきているのだな」と認識する事ができ、それに対する対応策を講じる事が出来るわけです。
この様に、RASは知らないことは認識に上げることをしないため、選手(指導者)として必要な多くの知識を日々学習し吸収するようにしておく必要があります。

取捨選択の2つ目の基準〝重要であること〟

次に、2つめの「その人にとって重要なこと」ですが、これは一般常識的に重要なことという意味ではなく、あくまでその人にとって重要なことを指します。
例えば、あなたがプレッシャーに弱い選手だとしましょう。すると、RASは自分の心臓がバクバクいっている音や相手選手の自信のある表情、また相手チームの勢いのある応援などを認識に上げようとします。そうすることでよりプレッシャーを強め萎縮してしまうわけですね。一方、同じ状況でもしあなたがプレッシャーに強い選手だったら、相対する選手の緊張した表情や、味方観客席の応援の声、ゲーム空間全体を余裕を持って見渡す事が出来ます。
この様に、プレッシャーに弱い選手にとっては、自分にとってストレスになることを回避することが重要なのでRASはストレスになりうることを収集し、逆にプレッシャーに強い選手にとっては自分が活躍することが重要なので活躍する上で重要な情報を収集するというわけです。
ちなみにですが、プレッシャーに弱い選手の目の前に値千金の大きなチャンスがやってきたとしましょう。すると、面白いものでRASがチャンスを重要なものであるとみなせば、心臓がバクバクする音や相手選手の自信に満ちた表情や、相手チームの応援が瞬時に見えなくなってしまいます。つい先ほどまで認識していたものが重要でなくなったとたんに見えなくなってしまうのです。

RASがあるからこそスコトマが生まれる

RASが収集しなかったことによって認識に上がらなかった情報をスコトマ(心理学的盲点)と言います。
RASとはつまるところ「認識に上げるものとスコトマにするものを選別するフィルター機能」と言い換える事が出来ます。
実は、私たちはスコトマがある以上、すべてのものをその通りに認識することが出来ないのです。

人は誰一人として同じ世界を認識していない

人間によって「知っている知識」には必ず差があります。
また「重要であること」も人によっては違います。
ということは、同じ空間を共有していても人それぞれRASが認識にあげる情報というのは異なり、違った認識をしているということです。
ある人にはこの情報が認識できているけれど、隣のある人には完全にスコトマになっているということは当たり前なのです。
試合中にA選手には相手チームの欠点が見えていたけれど、B選手にはスコトマになって見えていなかったというのもこうしたことから起こります。
網膜に映ったり鼓膜には届いているものの、肝心の脳が認識出来ていないのです。
チームスポーツの場合は特に言えることですが、ゲームにおいて「重要なこと」を〝しっかりと押さえ共有しておく〟ことをしないと、大事な場面で全選手が全く違う部分にフォーカスして本質的な部分がスコトマになってしまうということは頻繁に出てきてしまうのです。

まとめ

いかがでしょう。
RASというものがどの様なものかご理解頂けましたでしょうか。
RASは誰の脳にもあり、RASがある以上必ず人にはスコトマが生じます。
重要な情報がスコトマになってしまっていてはなかなかハイパフォーマンスは発揮できませんから、日々知識を増やしていくことと重要なことを共有しておくこと、そしてRASによい情報を収集させるために自己イメージを高めておくことがとても大事です。
また、人にはいついかなる時も見えなくなってしまっているところがあるという認識を常に持っておく様にしましょう。
今現在認識している世界を絶対だと思っていては、スコトマに隠れた貴重な情報を掴み取ることが出来なくなってしまいます。
RASに支配されたパフォーマンスしか出せないアスリートではなく、是非ともRASを自在にコントロールしてハイパフォーマンスを発揮できるアスリートになりましょう!

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