2021年07月04日
エフィカシーが高いのと傲慢なのはどう違うの!?
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これは「自分には目標を達成する能力がある!」という自己評価のことです。
基本的にコーチは選手のエフィカシーを上げることを行っていますが、まれにこういう質問を受けることがあります。
「エフィカシーが上がれば確かにいいとは思うけど、傲慢になってしまわないか?」と。
これは非常にいい質問です。
そこで今回はエフィカシーと傲慢について解説をしていきます。
目次
エフィカシーが上がるほど傲慢になる!?
まずですね、最初に結論を言っておきましょう。
エフィカシーが上がると傲慢になってしまう選手も確かにいます。
ただ、誤解しないで頂きたいのは、全員が全員そうなるわけではないということ。
やり方によってはそうなってしまう選手もいますよと言うことです。
(まあ、そうしないのがマインドコーチングではありますが…)
そこでですね、何が両者を分けているかを知って頂くためにそれぞれの解説をしていきたいと思います。
エフィカシーが高いとはこういうこと
エフィカシーはですね、徹底的にポジティブなセルフトークを行っていくことで上げていくことが出来ます。
ですから、マインドコーチングを実践してもらっている選手や指導者は常にポジティブに物事を解釈するようになりますし、そういう言葉を常日頃から常用するようになっていくのですが、そもそもエフィカシーが高いというのは「自分には目標を実現できるだけの能力があるぜ!」という自己評価が高くなるということなんです。
それに対して傲慢というのは、「俺は凄いんだぜ!目標達成なんてちょろいもんだぜ」と思い上がっていること。
どちらも過去の実力に関係なく「自分には出来る!」と思えているところは一緒です。
では何が違うのかというと、エフィカシーの方はですね、視点が高いんです。
客観的に自分の能力をみて評価できているということ。
もうちょっと具体的に言うならば、目標というものを基準にして現状の自分の能力をみられる人のことです。
傲慢とはこういうこと
かたや傲慢の方はその視点がとれていないんですね。
今現在の自分しかみれていない。
「目標に対して私は今ここまで出来るからすごいんだ」という視点と、ただ単に「今の私はすごい」では見えているものが全然違います。
前者は自分の凄いところだけでなく、目標実現する上でまだ自分に足りていないものも見えるのに対し、後者にはそれが見えないわけですから。
ですから傲慢な選手というのは目標に対してのフィードバックがとれていないので視野が狭く前に進んでいきにくいという点があるんですね。
傲慢にしないために「抽象度」を理解させる!
ちなみに私は選手や指導者の方が傲慢にならないように、講義の中で必ずと言っていいほど「抽象度」という概念をお伝えします。
抽象度というのは情報空間を高い視点で観ること。
例えば、ボーダーコリーを1つ高い視点で見ると「犬」ですし、犬を1つ高い視点で見ると「哺乳類」、哺乳類を1つ高い視点で見ると「動物」となりますが、このような1つ上の概念で世界を観られるようになることが非常に大事なのです。
犬よりも動物の視点で世界が観ることが出来れば犬以外のすべての動物が見える様に、高い視点で自分自身を観られる選手の方が自分にとっての良いところ、それから悪いところがちゃんと観えるわけですから。
傲慢になって自分のよいところしか観えなくなってしまっている選手より、ちゃんと弱点も観えている選手の方がそこを改善していくことが出来ますし、弱点があるとわかっているがゆえに傲慢にならないわけです。
この様に抽象度というものをしっかりと理解してもらうので、ちゃんとマインドコーチングに取り組めばエフィカシーは高くとも傲慢な選手というのはまず出てこなくなります。
1つ上の視点で自らを観られるようになろう!
ということで、今回はエフィカシーと傲慢の違いについて述べてきました。
両者の違いがわかったことによって、身の回りにいるエフィカシーが高い選手と傲慢な選手の区別は簡単につけられるようになったのではないでしょうか。
是非ですね、皆さんも抽象度を理解し視点を上げられるようになって、〝エフィカシー〟の方を上げていってください。
決して傲慢な選手にはならないで下さいね。