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2019年07月29日

トップアスリートの〝時間〟の捉え方

コーチング用語集

今回はアスリートがハイパフォーマンスを発揮する上で非常に大事な〝時間の捉え方〟についてお話していきたいと思います。
実は、日本の9割以上のアスリートや指導者は間違った時間の捉え方をしてしまっています。
であるがゆえに、思考のしかたが制限されてしまい、頑張っても頑張ってもなかなか成果が出ないという状況に陥ってしまっています。
せっかく熱量を注ぎ込んで取り組んでいるというのにこれではあまりにも悲しいですよね。
そこで今回は、成功するアスリートや指導者が大事にしている時間の捉え方についてこっそりお教えしていきたいと思います。

目次

トップアスリートが大事にする時間の捉え方

アスリートに限らず、人間というものは「時間」という概念を持ち合わせています。
お昼ご飯を食べるにしろ、夜寝るにしろ、生活というルーティンが生まれるのは時間を意識しているからこそです。
そういう意味では時間というものは私たちにとって切っても切り離せないものと言えます。
そして時間には「流れ」というものがあるとお考えでしょう。
実はこの時間の〝流れ〟の捉え方こそがアスリートのパフォーマンスに大きく関与しているのです。

時間の流れる向き

時間にはおよそ3つの概念がありますよね。
「過去」「現在」「未来」
この3つです。
一般的に時間というのは過去から現在に流れ、更に未来へと流れていくと考えられています。
これは、過去に色んな体験を積み重ね、その積み上げてきたものの上に現在があり、そしてその先に未来があるという捉え方ですよね。
この様な時間の捉え方は、神が宇宙を創造しアダムとイブを地球上に生み出したところから始まるキリスト教的(旧約聖書由来)、西欧的な考え方と言われています。
しかしながらトップアスリートはこの様な時間の捉え方はしません。
時間の流れを全く逆に捉えるのです。
「時間は未来から現在に降り注ぎ、過去へと過ぎ去っていく」
これは仏教のアビダルマ哲学に由来する時間の捉え方です。
実はこのような逆向きの時間の捉え方こそ、目標を達成していく上で欠かせない時間の捉え方なのです。

なぜ「過去→現在→未来」ではダメなのか!?

なぜトップアスリートがこの様な時間の捉え方をするのかというとちゃんとした理由があります。
それは、時間が過去から現在を経由して未来へ流れると捉える場合、現在や未来がどうしても過去の影響を受けてしまうからです。
例えば、もしあなたがこれまでずっとベンチを温めてきたような選手だったら、どうでしょうか。
きっと現在もベンチにいる事の方が多いでしょうし、未来も大体同じようなものではないいでしょうか。
過去に県大会で2回戦に行くのがやっとだった選手は現在でもやはり2~3回戦位のところに落ち着いてしまいますし、未来も同じようなものでしょう。
過去の延長線上の現在や未来の事をコーチング用語でステータス・クオ(States Quo)と言いますが、過去の自分を基準とした考え方や生き方ではその先に大きな変化はなかなか起きないものです。

時間が未来から流れることによる利点

一方、トップアスリートの様に時間の流れが逆だと現在や未来は過去の影響を全く受けなくなります。
時間が経てば経つほど過去の出来事は更に過去の遠くへと過ぎ去っていきますから過去が現在や未来の足を引っ張ることが無くなるのです。
過去に補欠であろうが、ミスばかりしていた選手であろうが、監督に怒られてばっかりであろうが、1度も勝てなかったであろうがそんなの一切関係ありません。
大事な試合での大事な場面でシュートミスをして負けてしまったトラウマ的な過去も、現在や未来のプレーに心理的な影響を与え足や手が震えるなんてことはなくなるのです。
そして、未来から時間がやってくると捉えることにはもう1つ大きな利点があります。
それは、未来に目標を設定することによって、そこから逆算した〝今あるべき姿〟を明確に導き出せるということです。
選手にとって今あるべき姿を明確に導き出せることほど飛躍をさせてくれるものはありません。
なぜなら、いまあるべき姿が明確になるという事は、何にどう取り組んでいけばいいかがわかるということだからです。
飛躍するアスリートというのは常に目標から逆算的に〝今あるべき姿〟を導き出し、そうなるためのことを徹底して実行しているのです。

まとめ

この様にトップアスリートというのは絶えず未来に目標を設定し、そこから逆算して今現在の姿を導き出すことによって、未来に向かって変化し続けている人なのです。
是非とも今この瞬間から〝時間は未来からやってくる〟という認識に切り替えて、未来の目標に対して今あるべき姿を追い求めていくようにしてみて下さい。
今までとは比べ物にならないくらい圧倒的に飛躍していけるようになることでしょう!

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