コーチングではアスリートの方々にリラックスしてもらうことを非常に重要視しています。
なぜなら、リラックスが上手に出来ているか否かが目標達成に向けたマインドの使い方に大きくかかわってくるからです。
しかし、日本人のアスリートはリラックスすることをあまり得意としていません。
そこで今回はなぜアスリートにリラックスが大事なのかを解説していきたいと思います。

目次

• ○  アスリートがリラックスできたほうが良い3つ理由
• ・①リカバリーが早くなる
• ・②抽象度の高い思考が出来るようになる
• ・③変性意識に深く入れるようになる
• ○  まとめ

アスリートがリラックスできたほうが良い3つ理由

アスリートはハードに体を動かしたり難しい動きをすることにはとても秀でているのですが、意外とリラックスが出来ない方が多いのをご存じでしょうか。
そしてそうであるがゆえに、本来の力を発揮しきれていないアスリートがいかに多いことか。
アスリートがリラックスが出来たほうがいい理由について以下に述べていきたいと思います。

①リカバリーが早くなる

まず最初にちょっと基本的な話をしましょう。
アスリートは練習中や試合中に激しく体を動かして運動しています。
これは自律神経で言うところの交感神経が優位の状態です。
交感神経が優位になるとアドレナリンが出て心拍数が上がり、血流量が増していきます。
そして血流量が上がることで細胞に酸素がどんどんと送り込まれ大量にエネルギーを生産出来るようになります。
つまりは、交感神経とはより体を動かしやすい状態にもっていくことなのです。
しかし、これが長く続くとどうなるかご存じでしょうか！？
乳酸が溜まりはじめ、筋肉が疲弊し、だんだんとパフォーマンスが落ちていきます。
どんなにハードに動ける体を作っても後半にスタミナ切れしてパフォーマンスが落ちてしまうようでは意味がありませんよね。
そこで大事なのが自分自身がインプレーから外れている時間をなるべくリラックスするようすることなんです。
そうすると今度は副交感神経が働いて、そのような状態からいち早くリカバリーが出来るようになります。
日本人はまじめなアスリートがとても多いですが終始がむしゃらにプレーするではなく、激しく動くときは激しく動き、その必要のない時はリラックスを心がけることが大事なんです。
高いパフォーマンスを発揮するためにもっとリラックスを心がけて自律神経のバランスをとる必要があると心得ておいて下さい。

②抽象度の高い思考が出来るようになる

2つ目に、「抽象度の高い思考が出来るようになる」というのがあげられます。
「抽象度の高い思考が出来る」というのは、ゲーム中に3次元＋時間軸による論理的思考が出来るということです。
皆さんも「自分がこう動いているから相手はこう動くだろうな」とか、「何度も止められて右は苦手意識を持っているはずだからそろそろ左で来るな」という予測や読み、そしてそれによる誘導を行ってプレーをしていると思いますが、これは前頭前野による抽象度の高い思考があってこそ出来るものです。
しかし、緊張しているいる時や焦っている時、試合の終盤などで苦しくなってきた時などは交感神経が優位になってそのような思考が出来なくなってしまうのです。
すると、相手選手の動きのパターンを読めなかったり、逆に相手の罠に簡単にはまってしまうということになりかねません。
ですから、きつい時間帯が続いている時ほどプレーの切れ間に深呼吸をしたり、状況をみながらリラックスを行うことが大事なのです。
先のリカバリーの意味合いも含め、リラックスできるタイミングでは徹底的にリラックスをこころがけ、常に前頭前野で抽象度の高い思考が出来る状態を維持しながら戦ってもらいたいと思います。

③変性意識に深く入れるようになる

3つ目は「変性意識に深く入れるようになる」というのが理由なのですが、まず変性意識の説明をしておきましょう。
変性意識とは、物理空間よりも情報空間に強い臨場感を感じている状態です。
「物理空間より情報空間に強い臨場感を感じてるってどういうこと？」
って思いますよね。
簡単に言えば、頭の中で想起している世界の方に臨場感を感じているということです。
今日の朝何食べた？と言われると誰しもが朝食べたものを思い出そうとしますが、その瞬間って足の裏が地面についているという物理的な感覚は限りなく薄れてイメージの世界に深く誘われてますよね。
これが「情報空間に強い臨場感を感じる」＝「変性意識に深く入る」ということなんです。
ということで、この変性意識に深く入ると何がいいのかというと、変性意識深ければ深いほど〝脳内の自己イメージが書き換えやすくなる〟のです。
つまりアスリートがビジュアライゼーション(自己イメージ書き換え法)を行う際の効率を格段に上げることが可能になるというわけなんです。
近年、多くのアスリートがビジュアライゼーションに取り組んでいますが、なかなかうまくいかないという声を聞くことが多いです。
実はビジュアライゼーションが上手くいかない理由は、それを行う前の段階として変性意識状態に深く入れていないからなのです。
ただ、この深い変性意識状態はしっかりとリラックスすることが出来れば誰にでも入ることが出来ます。
そして、徹底してリラックスが出来れば出来た分だけ自己イメージを大きく変えていくことが可能になるのです。

まとめ

ということで今回はアスリートとってリラックスが重要である理由について解説してきました。
上記に述べたこと以外にも、私たちは人間関係のストレスやSNS疲れ、睡眠不足などリラックスを妨げる要因をいくつも持っています。
ぜひともそういった部分を見直すとともに、あらゆる場面の中でリラックスをする時間帯を意識的に取り入れていって下さい。
きっと目標を達成する上であらゆることが効率的に回り始めていくことでしょう！